刀剣解説(湧水心貞吉)

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このコーナーは過去に月刊コレクション情報にてご紹介した説明ページを再掲載したものです。
今回ご紹介するのは静岡県を代表する無鑑査刀匠「湧水心貞吉刀匠」による1983年に作刀された一振りです。

刀 銘:湧水心貞吉謹作之(ゆうすいしんさだよしつつしんでこれをつくる)
昭和癸亥三月日(しょうわみずのといさんがつひ)(昭和58年)

鎬造り(しのぎつくり)、庵棟(いおりむね)、中切先(ちゅうきっさき)。
表裏に棒樋(ぼうひ)。
鍛え(きたえ)、杢目肌(もくめはだ)混じり板目肌(いためはだ)地沸(じにえ)を厚く付け、地景肌(ちけいはだ)を見せ、肌立ち(はだだち)、所々大模様となり、地鉄精良(じてつせいりょう)。
刃文、互の目乱れ(ぐのめみだれ)を主体に、丁子刃(ちょうじば)、尖り互の目刃(とがりぐのめば)交えて、激しく沸付き(にえつき)、金筋(きんすじ)、砂流し(すなながし)間断なく現れる。
帽子(ぼうし)、乱れ込(みだれこみ)、掃きかけて返る。
茎(なかご)生ぶ(うぶ)鑢目(やすりめ)化粧鑢(けしょうやすり)、大筋違い(おおすじかい)、茎尻(なかごじり)先、剣形(けんがた)
ハバキ 銅に金着せハバキ
時代研摩(研いでから時間経ち、どうしてもという程研ぎが必要ではないが、やや曇りやヒケ(針で線を引いたような筋のこと、深さにもよるが、簡単に研ぎで取れる)
白鞘入り(しろさや入りとは朴(ほう)の木で作られた木製の保存用の鞘)

 湧水心貞吉は、明治四十一年生まれ、平成十二年九十二歳にて逝去した、静岡県三島市の生まれの現代刀匠です。
無鑑査(日本美術刀剣保存協会で毎年開催されている現代刀コンクールで、長年に亘り多くの賞を勝ち取った刀匠に与えられる称号)
 貞吉は、相伝備前(鎌倉末期から南北朝期にかけて流行した、備前伝に相州伝が加わった作風のこと、正宗門、長義とその一門など)を最も得意とし、魅力ある相伝備前の作品を数多く残しています。
この刀も貞吉が相伝備前の長義もしくは兼長を写した傑作です。
相伝備前を作刀させたら右に出るものなしと言われた、現代刀匠、湧水心貞吉の地刃共にお楽しみいただける一口です。

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