金筋・稲妻を写真で解説

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梅雨の頃、暑い日もありますが、やはり湿度は上昇気味な季節です。

刀身の状態はいかがでしょうか。晴れた日に様子を見てみて下さい。やはり、一年の中で最も錆びが発生しやすい季節です。拭い布や拭い紙で軽く拭き、打粉を打たずとも薄く刀剣油で表面をカバーして下さい。(油の塗り過ぎは油錆びの原因となりますので、あくまでもほんの少し塗り、その後テイシュで拭きとりましょう)

今回は、読者の方から金筋(金線)についてのご質問がございましたので、画像でご説明します。

金筋と稲妻は 砂流しと共に見られる働きで 刃文や刃縁に現れ、沸え(にえ)とつながって一本の線となり、刃中でキラリと光って見える、短い線を金筋、長くやや太いものを稲妻と呼んでいます。

砂流しの解説は以前の投稿をご覧ください。
刀の働き「砂流し」を写真を使って解説

相州伝ものに多く見ることができ、その中でも最も顕著に見られる作は、相州正宗貞宗。新刀では、丹波系石堂系。新々刀では断然清麿系です。

今回はその中で清麿門の「栗原信秀」の刀の写真を掲載いたします。

砂流し(砂を手で流したような働き)
金筋(細く髪の毛のような黒っぽい筋)
稲妻(沸の粒がぎゅっと凝縮したような黒くやや太長い線状の筋)

今回は見やすいように写真を拡大して掲載しておりますが、実際の大きさで見ると金筋は思ったより細いです。
そのためしっかり光に当てた状態で鑑賞しないと割れと見られてしまう事がしばしばあります。

是非お手元に御刀がある場合は今一度じっくり鑑賞してみてはいかがでしょうか。

世界に比類ない鉄の魅力を誇る日本刀は、武器としてだけではなく、その製作技術と研磨技術によって、地肌の妙、刃文の妙をお楽しみいただくことが出来ます。それは正に、宝石や玉の如く、神秘的で金銀より勝る美しさであると思います。

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