今回は刀の基本中の基本「地肌」についてお話します。
刀身を見てまず一番初めに目にするのは「地肌」です。
刀身の大部分を占めるのは地肌であり、産地や刀匠、どの流派に属するものかを判断する決め手となるのも「地肌」です。
特に古刀ではその鍛え肌「地肌」の特徴からおおよそ何処で製作されたものであるかが分かります。
では基本中の基本、「地肌」とは何を意味する言葉なのでしょうか。
「地肌」とは刀身を製作する時に、各種の鉄を組み合わせ、縦、横に折り返し鍛錬をすることにより、地の表面に現れる文様のことです。
地肌には大別すると下記のような肌があり、またそれぞれが混じり合っていることもあります。
杢目肌(もくめはだ)
地肌が木の杢目に似ていることから名付けられた肌杢目の大きさにより、小杢目肌(こもくめはだ)大杢目肌(おおもくめはだ)などと表現する。
板目肌(いためはだ)
地肌が木材の板目に似ていることから名付けられた肌
板目の大きさにより、小板目肌(こいためはだ)大板目肌(おおいためはだ)などと表現する。
柾目肌(まさめはだ)
地肌が木材の柾目に似ていることから名付けられた肌柾目の大きさにより、小柾目肌(こまさめはだ)大柾目肌(おおまさめはだ)などと表現する。
梨地肌(なしじはだ)
地肌が小模様で、果物の梨を切った面に似ていることから名付けられた肌
小糠肌(こぬかはだ)
地肌がまるで糠のように細やかに良く詰み、一面沸づいた肌
縮緬肌(ちりめんはだ)
杢目肌(もくめはだ)が詰んで、まるで縮緬の布のように見える肌
綾杉肌(あやすぎはだ)
柾目肌(まさめはだ)が大きく曲線となって表れた肌
綾杉模様が語源
無地肌(むじはだ)
地肌の文様がほとんどないように見られる肌
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