写真と押形で観る「丁子刃」の世界

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今回はご質問をいただきました、丁子刃の魅力についてお話しましょう。

丁子刃とは、刃文が曲線で起伏し乱れの頭の部分が丁子の形を呈している刃文のことです。丁子とは熱帯産の丁子の実のこと、日本でも奈良時代から香料や薬として輸入されていた貴重な品であったといいます。もちろん現代でも香料としてだけでなく、肉料理の風味付けなどに用いられていますからご覧になった方も多いのではないかと思います。

そんな丁子の形を刃文に見て丁子刃と名付けられたのでしょう。

起伏の小さい小丁子刃、大きい大丁子刃、乱れが重なり合い最も華麗な重花丁子刃、乱れの頭が拳のような拳丁子刃、オタマジャクシの形のような蛙子丁子刃など、鉄の焼き入れの際に図らずも生まれた、匂いの連続する独特な文様刃文のことを丁子刃と言います。

正に鉄の芸術と言うに相応しい、得も言えぬ刃文の魅力です。

画像や押形でご紹介しますので華麗なる丁子刃の世界をお楽しみ下さい。

来国行 鎌倉時代
福岡一文字助真 鎌倉時代
長船長光 鎌倉時代
肥前国住藤原忠広 江戸時代前期
固山宗次 江戸時代後期
天田昭次 現代
大野義光 現代

今回ご紹介しきれなかった、丁子刃を得意とする刀匠を鎌倉期から現代までご案内します。

福岡一文字一派、鎌倉一文字助真、光忠、長光、畠田守家、青江次直、初代忠吉、多々良長幸、国助(二代)、武蔵大掾是一、備前祐永(新々刀)、細川正義、固山宗次 吉原義人(現代)、大野義光(現代)、佐竹則親(現代)

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