【解説】差し込み研ぎとは

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春爛漫の季節を迎え、弊社の山桜花も薄紅色の美しい花を咲かせています。
今回はご質問のあった、差し込み研ぎについてお話しましょう。

差し込み研ぎとは

差し込み研ぎとは作刀時に付けられた刃文をそのままに拾い研ぎ出す研ぎ方のことです。
美濃伝の作に差し込み研ぎに仕上げられた作を多く見ます。
如何にも鋭く斬れそうです。

刀 銘:兼元 室町末期

よく見られる研ぎは化粧研ぎと言われるものです。
地肌を美しく仕上げ、刃文を華やかに美しく見せる研ぎ方です。
研ぎ師に特に注文しない限り、殆どは化粧研ぎで研ぎ上げます。
互の目、小互の目、のたれ等様々な刃文を流れる波のように美的に仕上げる方法です。光にかざして刃文を見るのはこのためです。

脇差 銘:氏房 江戸前期

刀の美しさは、刀匠の技量は当然のことながら、研ぎ師の芸術的な美観が大きく左右すると思います。
名刀も技量、感性優れた研ぎ師の手になってこそ、美しさ、見事さが際立ちます。
愛刀を研ぎに出される時には、必ず、託す研ぎ師の技量、そして得意とする研ぎのスタイルをお聞きになることをお薦めします。

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